性欲は決して恥ずかしいものなんかじゃない。
俺たち男にとって、性欲はまさに、生きてゆくために必要不可欠なもの、太陽や水のようなもので間違いない。
出世したい、良い仕事に就きたい、お金持ちになりたい、マッチョになりたい、頭が良くなりたい、イケメンになりたい、これらの欲望は全てモテたいからだ。
綺麗な女性や自分のタイプの女性とアレコレするためだけに俺たち男は生きているといっても過言ではない。
性欲が強いが、なかなか満たされないとなれば、自分をもっと見てもらうために、もっと魅力的になるために、筋トレを始めたり、スキルを磨いたりする。
結果として人生の満足度は高くなり、人生が楽しいと思えるようになる。
だから、性欲は強ければ強いほど人生が楽しくなるのだ。
近頃は、あたかも「自分は性欲なんてありませんよ」みたいな顔をした中性的な男で世は溢れかえっている。
奴らは本当はスケベであるのに、どこか涼しい顔をして"その時"を虎視眈々と狙っている。
さて、俺もそいつらの一員である。
性欲は強くもなく、かといって弱くもなく、どちらかと言えば強い方だが、スケベ心は見えないようにいつも心の奥へとしまっている。
さらに性癖がマリオカートの最難関コースの如くねじ曲がってしまっており、その欲を満たすのには困難を極める。
どうすれば、綺麗な女の子とあんな事やこんな事、はたまたそんな事ができるのか
俺は小さくなったスカスカの脳みそで考える、うむ、そのためにはやはり自分の魅力を磨くしかない。
「よし!自分の魅力を磨くぞ!」
そう意気込み、まずは筋トレから始めようと考える。鍛え抜かれた身体を持つことは、それだけで魅力なるし、目に見える形で結果もわかるしちょうどいい。
YouTubeで筋トレの動画を探してみる。
その途中でおすすめに面白そうな動画があり、全く関係ないないのに開いてしまう。
それを見終わると、次のおすすめにまた面白そうな動画が
あ、また
また、
また...
そんなとこを繰り返しているうちに日は沈み、日付が変わる。
なるほど。
俺はこんなしょーもない奴だから魅力がないのだ、と自らの証明に納得し笑う。
あぁ、朝起きたら全世界の人に愛されるくらいの魅力的な人間になってますようにと、神に願いをして、それからオ●ニーをして、俺は眠りについた。