シナプス全細胞の日記

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【爽快】ハゲ親父にくだった天誅

僕は沖縄からバンコク行きの飛行機に乗り込んだ。窓際の良い席で、前にはおっさんがいたがその時はまだそんなことどうでも良いことだった。

 

離陸して30分ほどたっただろうか。俺は世の中には2種類の人間がいることを悟った。

 

1種類目の人間は飛行機や新幹線などで自分の席を倒す際、後ろの人に必ず声をかけ、限界まで席を倒すという事もなく、という素晴らしく紳士的で魅力のある人間だ。

もう一方は、後ろの人に断らずに自分の席をバチバチに限界まで倒してくる、低脳で自己中でクソみたいな奴だ。俺の前のハゲた中年のおっさんはそれをやってのけた。おっさんの座席は、俺の膝上1センチまで倒れていて、俺は足を組み替えることさえもできなかった。

 

人間、あまりに極端なことが起こると、冷静になることがわかった。うむ、周りの目を気にせず生き、己を貫くその姿、よくわからんけど、なんかカッコいいな、と思った。2秒間だけ。正確には1秒くらいだったのかもしれない。そしてその直後だった。

 

今までに感じたことのない激しい憎悪、怒り、憎しみが火山のごとくこみ上げて来た。俺はそのおっさんの頭をぺしっと叩き「何も言わずにそこまで下げるなんてすごいっすね、あんた相当のお偉いさんか、それとも他人の気持ちを考えることのできない大馬鹿野郎ですか?」

なんて吐き捨ててやりたかったが、小心者の俺にはその勇気はなかった。

 

何も言えないまま、ただただ不快な時間が流れた。

 

さらに、おっさんの一つ前の席では小さい子供が騒いでいる。おっさんが席を限界まで倒しているので、前の席が良く見えるのだが、母親は何も気にしていない様子だ。フィリピンとか、マレーシア系の顔をしていた。

 

その子供がたまらなくうるさい。日本人の親なら叱責を飛ばすところだが、その子供のお母さんは知らん顔をしている。

 

子供の騒音にハゲオヤジの圧迫、ただでさえ飛行機は好きではないのに、あまりの不快な環境に俺は気が狂う寸前だった、刹那、幸福のエンジェルが、俺に微笑んだ。

 

おっさんの目の前で騒いでいた子供が、備え付けのペットボトルを思い切り握りつぶし

水が勢いよく噴き出した、俺にはその瞬間がスローモーションに見えた、勢いよ区噴き出した水は、キレイな弧を描き、ぐっすりと寝ていたおっさんの顔面に直撃したのだ。

 

びちゃびちゃに濡れるおっさん、はしゃぐ子供、戦慄するお母さん、俺は自分の運命を祝福したい気分だった。全てが俺のためにうまく行くような気がした、ハゲオヤジは寝ていて気づかない、どうしようもないアホだ。

滑稽。芸術的なまでの起承転結、完璧なストーリーだと思った。俺は何かすごく良いものを見た気がした。

 

カルマというものは本当にあるのかもしれない...